忘れられない味ってなんだろう。
はじめて作ったカレーライス、みんなで包んだちぐはぐな餃子、祖母のやたら大きいメンチカツ…やわらかくて暖かい記憶。
でも、ほんの少し切なくなる。なにか大切なものを置いてきたような、そんな気がして。
選んだことと選べなかったことが積み重なって、今ここにいる。
終着点はまだわからないけれど、ひとつ言えるのは、食べることは生きることだ。
時に食卓は言葉より雄弁に語る。
だから、答え合わせは後にして さぁ食べよう。
鍋に水を張って火にかける、
キュッと握ったおむすびと
おかずをグリルに並べて
オートボタンを押す、
出来るまで身支度を整える…
慌ただしい朝の動線は、
いつしか身体が覚えていた。
日が昇り 白んでいく空と、
香ばしい匂いが朝を告げる。
今日も、ここから始まっていく。
頭の中で、冷蔵庫の残りを思い
浮かべながら家路につく。
刻む、炒める、揚げる…
無心になって手を動かす。
年季の入った手になじむ鉄鍋は、何でもおいしく仕上げてくれる。
それと、コンロで炊いたご飯が
あれば十分だ。ご飯がおいしい
ことと、おいしく食べられる今に
感謝したくなる、月あかりの夜。
熱々のフライパンに卵色の生地を
流しいれると、幸せな音と歓声が響く。
はじめて自転車に乗れたこと、
面白い植物を見つけたこと、きれいに卵を割れたこと…
初めてと発見に満ちている日々を
どこまで見届けられるだろう。
ふっくら焼きあがったホットケーキを
食べながら、もう少し、と静かに祈る。
口いっぱいにほおばる横顔と日焼け
の跡を、頼もしく感じた日。
いつのまにか変わっていることに
ふと驚かされる。苦い思い出を笑い話にしていたり、母の背中が小さくなったことに気づいたり。時間は、物事をやわらかくするのかもしれないな、
なんて思いながら コトコト煮込む。
ホクホク、ほろほろになった食材と
旨味が溶けだした黄金色のスープ。
同じ色の夕日に、地平線が滲んでいく。
「いただきます」
お気に入りの銅製玉子焼き器を使うと、ふっくら厚みのある玉子焼きができるんです。使い込むほど油が馴染み、くっつきにくくなるのも嬉しいですね。
【使用歴4年 30代女性】
岩手で手に入れた南部鉄器の鉄瓶は、丸みのあるフォルムがかわいい一品。これで沸かしたお湯はまろみがあって口当たりがいいんです!見た目が気に入って購入しましたが、良い買い物でした。大切にしていきたいです。
【使用歴10年 50代女性】
伊賀焼の土鍋は厚みがあってかなり重量感がある。炊き上がりが早いのも嬉しいが、5分ほど余計に火にかけるとおこげが出来て美味。煮物や鍋料理も普通の鍋よりおいしい気がして、季節を問わず重宝している。
【使用歴7年 60代男性】